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渋谷・道玄坂の地名の由来は盗賊・山賊から!?

東京を代表する繁華街・渋谷の意外な地名の由来とは!?

 もう一つの説は、ここに渋谷氏という豪族がいたという説です。
    渋谷氏を日本史辞典などで調べてみると、渋谷重国(しげくに)なる人物が出てきます。
   重国は平安末期から鎌倉前期の武士で、武蔵国の渋谷(現在の渋谷)と相模国の渋谷(現在の神奈川県綾瀬市一帯)の両方に領地をもっていたらしいのです。渋谷の伝説はその重国の父親にまつわる物語。

  重国の父親はもとの名を河崎重家(しげいえ)といい、渋谷の地域を治めていました。そして、戦で功績をあげた重家は京都に上って御所の警護の任につくことに。そんな警護中のある晩のこと、二人の盗賊が御所に忍び込んできました。
    重家は勇敢に戦い、一人を切り倒し、もう一人をとらえて名を名乗らせたといいます。賊は「我こそは、相模国の住人、渋谷権助(ごんのすけ)盛国」と答えたといいます。
   救われた堀河院は喜んで「これより河崎をやめて渋谷を名乗れ」と言ったそうです。
   そこで重家は渋谷重家と名前を変え、またこれまで支配していた谷盛(やもり)の地名を渋谷と変えたというのです。
   これはあくまでも伝説なので、真偽のほどはわかりませんが、ありそうな話ではあります。

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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